早や生れの私は、同級生より年を重ねるのが少し遅い。
だから、遅れているわけではないのだけれど、奥手だったことも手伝って恋の季節が訪れたのは遅かった…
それに、中学の頃は兄に対する憧れのようなものが重なって、他に目が向かなかったのも正直なところでした。

それに、母が再婚し義父となった人も一緒に暮らすようになり、自分の家での居場所が無くなってきた私は、家に帰らない口実にクラブ活動に熱中したり、アルバイトに精を出したりしていました。
高校に入り電車通学になった私は、いつも同じ車両に乗っている人のことを意識するようになるのにそんなに時間はかかりませんでした。
そして、その人が同じ高校の先輩であることはすぐにわかりました。
でも、私にできるのはそこ迄…

それでも、夏休みも近づいたある日、その人と偶然話すチャンスが訪れたのです…
-後日談では、偶然ではなかったらしいのだけれど(笑)-

その日、私は読んでいた文庫本に熱中していて、乗換駅で降り損なうところでした。
扉が閉まる瞬間に、慌てて飛び降りた私は、乗車してくる人波にぶつかり、カバンと本をホームに落としてしまったのです。
間が悪いことに、しっかり閉まってなかったカバンからは、教科書やらノートが散乱して…
慌てて拾い集める私の先に、その人が教科書や本を拾ってくれて…

今、思い返してもありきたりで、出来過ぎたはじまりでした(笑)…

「ありがとうございます」
慌てて頭を下げる私に、
「坂本竜馬好きなの?」
とその人は返してきます。

たまたまその日読んでいた本は『竜馬が行く』
何巻だったか忘れちゃったけど、竜馬が勝海舟を斬りに行く場面に熱中していたのは覚えています。

私が、答えられずにもじもじしていると
「君は、1年の○○さん。バスケ部だよね…」
そう、当たり…
私は、とても驚きました。
そして、何でその人が私のことを知っているのだろう?と考えていたのです…

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